意図的な成長を導くDeliberate Practice
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
何かを上達するには練習が必要です。一方で、漫然と練習していても上達できません。
上達に必要な練習について、Deliberate Practiceという考え方があります。
Deliberate practiceとは?
Deliberate Practiceは、スキルや能力を向上させるためのトレーニングに関する概念です。
Deliberate practiceは書籍『職場が生きる 人が育つ「経験学習」入門』で紹介されています。
Deliberate practiceのポイント
Deliberate Practiceの練習において、以下の要素が重要とされています。
- 適度な難易度があり、明確な目標
- フィードバック
- 修正機会
よく、上級者になるためには10,000時間の練習が必要と言われますが、その練習は単なる練習ではなくDeliberate Practiceの特徴を持つ成長につながる練習が必要です。同じ時間練習しても成長度に差が出るのはこのあたりになります。
適度な難易度があり、明確な目標
取り組み対象は今の自分ができることの少し上の難易度であることが必要です。
できることの範囲では、新たに得るものがなく、難易度が高すぎると習得困難なためです。
また、取り組み対象に明確な目標を設定できることが理想です。
明確な目標があることで、成否の判断しやすくなります。
このあたりが「ストレッチな目標」が大切とされる理由の1つでもあります。
フィードバック
練習に取り組んだ際に、その取組がうまく行ったのか、うまく行かなかったのかに関するフィードバックが必要です。
フィードバックは該当分野に習熟した他者から得られると理想です。ただし、自分で取り組みの良否が確認できる場合は、そこから得られるセルフフィードバックでも成長判断に用いることができます。
修正機会
練習に取り組み、フィードバックから修正箇所を判断できたら、実際に修正版で取り組む機会が必要です。
実践〜フィードバックから修正箇所を見出す〜修正版の実践のサイクルを繰り返すことで、成功する実践方法を身に着けていきます。
Deliberate practiceに適した分野は?
上達のために必要な要素がすでに形式化されていたり、これから形式化するにしても形式化しやすいような領域の対象はDeliberate practiceを適用しやすい分野です。
Deliberate practiceに適さない分野は?
クリエイティビティが必要な領域、対人スキル、意思決定などのように形式化が難しいような領域の対象はDeliberate practiceを適用しにくい分野です。
まとめ
スキルや能力を向上させるためのトレーニングに関する概念であるDeliberate practiceを紹介しました。
改めて考えてみれば、すでにできることをやっていても成長しないので、まだできないことに挑戦するし、できるようになるまで試行錯誤を繰り返すことで意図的に成長するというのは当たり前に思えます。一方で、仕事においてこういった視点で取り組みを追求できているかといえばそうとは限りません。自己成長においても、周囲の成長支援においても、この点を意識して取り組めると理想的です。